「歯が痛い症状もないのに、歯科医院の定期検診って必要なの?」と思ったことはありませんか?
実は、歯科医院の定期検診は問題が起きてから行く場所ではなく、問題が起きないようにするために行く場所としての役割があります。
この記事では、歯の定期検診がなぜ必要なのか、どのようなメリットがあるのか、そしてどんなトラブルを未然に防げるのかについて分かりやすく解説します。
目次
■歯医者の定期検診で見つかるお口の変化
◎むし歯や歯周病の早期発見につながる
歯のトラブルは、自覚症状が出るころにはすでに進行してしまっていることが少なくありません。
たとえばむし歯は、初期段階では痛みなどの症状がないことが多いです。
歯周病は、進行するまで歯ぐきの腫れに気づかなかったり、歯ぐきからの出血も「少し強い力で磨きすぎちゃったかな」と感じるだけで、そのままにしてしまう方も多くいます。
定期検診では、歯科医師や歯科衛生士がお口の中をチェックするため、こうした病気を初期の段階で見つけることができます。
早期発見、早期治療が可能になることで、症状の悪化や大がかりな治療を回避することができるのです。
◎被せ物や詰め物の不具合もチェックできる
詰め物や被せ物をしている方は、ズレ、劣化、すき間なども定期検診でチェックできます。
知らないうちに隙間から細菌が侵入し、「二次カリエス」という二次的なむし歯になることを防げます。
■予防処置でトラブルを防ぐ
◎歯石除去で歯周病を予防できる
定期検診では、歯についた歯石を取り除くスケーリングが行われます。
歯石は一度ついてしまうと、自身の歯磨きだけでは取れないため、歯科医院で定期検診で取り除くことが大切です。
◎フッ素塗布でむし歯予防
むし歯予防として効果的なのが、フッ素塗布です。
フッ素には、むし歯菌によって溶かされてしまった歯を再修復する「再石灰化」を促す働きがあり、歯の表面を強くしてむし歯になりにくい状態を保つことができます。
フッ素は子どもにする処置と思われがちですが、大人にとっても重要な予防処置のひとつです。
■口臭や着色汚れの対策にもなる
◎ステインを落とす
定期検診では、歯の表面の汚れやステイン(着色汚れ)もクリーニングして落とします。
コーヒーやお茶、タバコなどによる着色を取り除くことで、歯本来の白さを取り戻すことができます。
◎口臭の予防
口臭の原因の多くは、舌苔(ぜったい:舌に付着した汚れ)や歯周病によるガスの発生、磨き残しなどです。
定期的なクリーニングにより、これらの要因を除去することで、口臭の予防や改善にもつながります。
自分ではなかなか気づけない口臭ケアにも、定期検診は役立ちます。
■通い続けることで得られる長期的なメリット
◎歯を失うリスクが減る
むし歯や歯周病が進行すると、最悪の場合は抜歯に至ることもあります。
定期検診で問題を未然に防ぐことができれば、自分の歯を長く保つことができます。
実際、定期的に検診を受けている人ほど、将来的に歯を多く残せるというデータもあります。
◎医療費を抑えられる
予防を目的とした通院は、長い目で見れば医療費の節約にもつながります。
小さなむし歯の治療やクリーニングで済ませることができれば、将来大きな処置が必要になることがなく、治療にかかる時間や費用の負担も減らせます。
■どのくらいの頻度で通えばいいの?
◎基本は3ヶ月〜6ヶ月に1回が目安
定期検診の頻度は、患者さんのお口の状態やリスクによって異なりますが、一般的には3ヶ月~6ヶ月に1回が目安とされています。
【定期検診の役割は色々】
痛くないから大丈夫と思いがちな歯科の定期検診ですが、実はお口の健康を守るうえで欠かせない予防習慣です。
むし歯や歯周病の早期発見、予防、見た目や口臭の改善、そして将来的な医療費の節約にもつながるメリットがあります。
数ヶ月に一度の受診で、将来のトラブルを防げると考えれば、定期検診は大きなメリットがあります。大切な歯を守るためにも、ぜひ定期的に歯科医院を訪れてみてください。
当院では、歯科先進国スイス発の新しい歯周ケア「GBTメンテナンス」を行っています。詳しくはこちらのブログで解説していますので、あわせてご確認ください。