歯磨きをしているときや食事中に歯ぐきから血が出ることはありませんか。
特に痛みがないと、一時的なものだからと放置してしまう方もいるかもしれません。
しかし、歯ぐきからの出血は歯周病の初期症状である可能性があります。
歯周病は、日本人の成人の多くがかかっている病気であり、進行すると歯を失う原因にもなります。
この記事では、歯周病とはどのような病気なのか、進行度別に症状を詳しく解説します。
目次
■歯周病とは
◎歯周病の特徴
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が細菌感染によって炎症を起こし、進行すると最終的に歯が抜け落ちてしまう病気です。
口腔内には多くの細菌が存在し、その中の歯周病菌が原因となって発症します。
歯垢(ブラーク)や歯石が蓄積すると細菌が増殖しやすくなり、歯ぐきの炎症が悪化します。
■歯周病の症状【段階別】
◎歯肉炎(軽度歯周病の前段階)
歯周ポケットの深さは3mm以内で、歯ぐきに炎症が起こる初期段階です。
歯を支える骨にはまだ影響が出ていませんが、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きの際に出血しやすくなったりすることがあります。
自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行しやすいのが特徴です。
この段階で適切なブラッシングや歯科医院でのクリーニングを行うことで、健康な状態に回復させることができます。
◎軽度歯周炎
歯周ポケットの深さは3mm~5mm程度で、炎症が広がり、歯を支える骨が吸収し始める段階です。
歯ぐきが腫れて下がり、歯と歯の間にすき間ができ、食べ物が詰まりやすくなります。
また、歯ぐきの赤みや腫れるなどの症状が強くなり始める方もいらっしゃいます。
痛みはまだそれほど強くありませんが、適切なケアを行わないと歯周病がさらに進行します。
◎中等度歯周炎
歯周ポケットの深さは4mm~7mm程度で、炎症がさらに進行し、歯を支える骨が更に減少する段階です。
歯がグラグラと動くようになり、硬いものを噛むと痛みを感じることがあります。
また、歯ぐきの腫れが悪化し、膿が出る場合もあります。
口臭が強くなり、歯ぐきが大きく下がっているのが目に見えてわかるようになります。
この段階では、歯科医院での専門的な治療が必要です。
◎重度歯周炎
歯周ポケットの深さは6mm以上で、歯を支える骨がほとんど失われ、歯が自然に抜け落ちることもある最終段階です。
歯ぐきの腫れや膿が慢性的に続き、強い口臭が発生します。
食事が困難になるほど痛みが強くなり、日常生活にも支障をきたすこともあります。
この段階になると、抜歯が必要になるケースが多く、歯を残すことが難しくなります。
■歯周病を防ぐためのポイント
◎正しい歯磨きを習慣化する
歯周病の予防には、毎日の適切な歯磨きが欠かせません。
歯垢をしっかり取り除くために、歯ブラシは歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに動かすなど、正しい磨き方で磨くのが大切です。
歯と歯の間の汚れを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのも効果的です。
◎定期的に歯科検診を受ける
歯周病の初期症状は自覚症状がないため、定期的に歯科での検診を受けることが大切です。3ヶ月~6ヶ月に一回の頻度で歯科医院を受診し、歯石の除去や歯ぐきの状態をチェックすることで、歯周病を早期に発見し、進行を防ぐことができます。
◎生活習慣を見直す
喫煙や糖分の多い食事、ストレスなどは歯周病のリスクを高める要因になります。
特に喫煙は歯周病の進行を早めるため、禁煙することでリスクを下げることが可能です。
バランスの良い食事を心がけ、健康的な生活習慣を維持することも予防につながります。
【気づきにくい病気だからこそ段階を知ることが大切】
歯ぐきから血が出る症状は、歯周病の初期サインである可能性があります。
歯周病は初期段階では自覚しにくいため、気づかないうちに進行し、最終的には歯を失う原因にもなります。
症状が軽いうちに適切なケアを行えば改善が可能ですが、進行すると治療が難しくなるため、早めの対策が重要です。